1・濃霧のソウルタワー

 



  • ①関空へ(2013年12月9日午前9時6分)。
  • 関空への道中、バスの中から空を撮影。ソウルの旅は、この空同様であった。

 

 

  • 気づくと、ソウルタワーにいた理由を、拙著『真相2013年』より抜粋する。
  •  二〇一三年十二月九日一八時五十六分。気づくと、私はソウルタワーの前にいた。ソウルタワーに行く予定などはなかったのだが。何故、私がタワーの前にいるのか?しかも、雨が降る中、薄着で、十キロ近いカメラ機材を持って。勿論、ソウルタワー撮影は無理である。暗い上に、タワーは雨で霞(かす)んでいるのだから。

     実は、私は安重根(日本語読み「あん じゅうこん」、ハングル語読み「アン・ジュングン」。一八七九~一九一〇年)の記念碑を目指していた。ところが、南大門公園に入ったとは思うのであるが、地図を見ても道が分からなくなった。途方に暮れていたら、青い光が見えてきた。雨で霞んで青い霧の塊の如くに。自棄(やけ)のやん八(ぱち)で、その方角に行くと、ソウルタワーの前にいたのである。タワーの前とは言っても、第4章に記す如く山の上である。

     寒いので、即、帰路に就いた。やがて、三つ角に出くわした。もう毒を食わば皿迄の心境で、来た道とは違う道の方へ、敢(あ)えて進んだ。すると、安重根記念碑が突如見えた。降りしきる雨の中、記念碑の前で、帽子を取り、傘も置き、バックも置き、合掌する。その後で、記念碑を写し続けた。枚数は二十五枚である。翌日撮影した枚数は四十六枚であり、実にこの記念碑だけで七十一枚写したことになる。

     だが、道を変えて偶然にも安重根記念碑に辿りついたツケは高くついた。と言うのも、今度はホテルまでの道が分からなくなった。通行人に何度道を尋ねたであろうか。ハングル語はできないため、英語で尋ねた。英語はソウルでは余り通用しなかったが、ホテル名を言ったので、現地の人もホテルが分からないのであろうと察して教えてくれた。特に、交番の警察官は親切であった。しかし、それを上回る方向音痴ときている。おまけに持参している地図がハングル語で書かれていたため、幾ら地図と照合しても分からない。また、ホテルが裏路地の分かり難い所にあったため尚更であった。(★抜粋終了)
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  •  このとき、②に書くように薄着でソウルタワーを目指して山を登る。そのときを思い出すと、この歌手の、雨の中の熱唱と同様な感覚であった。薄着で、真冬のソウルタワーへと山を登った。下山の途中で、運良く見つけた安重根記念碑前では、雨の中で傘もささずに安重根記念碑を撮影した。

     その場面を連想していただくために、 SoHyangのアリラン熱唱を掲載した。彼女と同様な状態であった。

 

  • [HD]소향(SoHyang) - 홀로아리랑 Arirang Alone (Live 15 08 19 광복70주년 경축음악회)
  • https://www.youtube.com/watch?v=fsUTPKvCPUk
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  • ②ソウルタワーへの道。(12月9日18時37分)
  •  私がソウルに行ったときの服装は、確か、半袖の下着、夏物の長袖、夏物に近いカメラマンベスト、その上にヤッケをきて、そしてジャンパーの予定であった。ところが、リュックにいれていたはずのヤッケがソウルにつくとなかった

     そして、ホテルに入ってすぐに出たときに、機動力の関係でジャンパーを着ずに外出したのではないかと思う。すると、半袖、夏物の長袖、そして夏物に近いカメラマンベストという夏に近い服装で真冬のソウルタワーへと山を登った気がする。万一、ジャンパーを着ていても夏物の服にジャンパーだけでは寒い。特に下りは。

     なぜ、そのようなことをしたかと言えば、ソウルタワーへと山を登る気は全くなかった。安重根記念碑撮影だけを考えており、雨が降っているため、機動力をフル回転するにはカメラマンベストの中にレンズを入れ、即座にレンズ交換ができるようにするために、ジャンパー抜きにした記憶がある。記憶間違いならばお許し願いたい。
  • ★【備考】ホテル着17時前、安重根記念碑目指してホテル発=17:30頃、ホテルに戻るのが20時過ぎ。その間、原則、雨の中歩きづめ=3時間弱。

 

 

 

 

  • ③青い光に見せられて、山を登る。(18時37分)
  • この日は、霧(きり)というか霞(かすみ)がかかっており、ソウルタワーとは分からず、青い光が幻想的に見えただけである。安重根記念碑がどこにあるのか、分からないので、その青い光を求めてただ山を登っていた。雨は容赦なく降る。

 

 

  • ④18時44分。

 

 

 

 

 



  • ⑤18時55分。気迫の撮影。何が気迫か。下記の数値を見て欲しい。
  • 三脚なし。雨の中。(この頃の最高峰のカメラの一つD800でも作品になる高感度はISO800まで、その限界値)ISO 800。絞りは開放地f2.8以外に方法はなし。そして、屋外で、しかも雨の中での悪いホールディングで8分の1秒である。1/8秒で撮る。まさに気迫であった。
  • この写真のPC全体大画像は安らぎ英語に掲載。ただし、2016年4月までの限定公開。下の写真をクリックで表示。

 

  • ⑥18時57分。
  • 今度はレンズを変えて超広角撮影。17ミリ、1/8秒、f4、ISO 800で手持ち。
    真ん中の人物は被写体ぶれ。左の人物は肖像権保護より文字で顔を隠す。拡大すれば人物の顔を完全に見える写真。

 


  • ⑦ソウルタワーにたどり着く。18時58分。ホテルをでてから約1時間半歩いたことになる。もっとも何度も道を間違えたのだから。
  • ISO 800、16㎜、f4、1/15秒


 

  • ⑧ソウルタワーを見る親子。
  • 男は無心・無邪気、女は???